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朝目覚めるとまず最初に新聞を取りにいきます。さーっと斜め読みして、特にスポーツ欄は念入りにと、頭がすこし起きてきたら朝食です。朝食の前に手を見ると、印刷物のインクで手がすこし黒くなっています。インクには鉛が含まれていますら、そのまま手を洗わずにサンドイッチをつまむわけにはいきませんね。
私は不健康ですが通勤に車を利用しています。朝のさわやかな風を車内にと窓を開けたいのですが、排気ガス、特に有鉛ガソリンは文字通り鉛が含まれていますので、気分よく窓を開けることもためらいます。バイクで勇ましく通勤・通学されている皆さん、マスクもヘルメット同様着用されたほうがよさそうです。特に都市部や交通量の激しいところで車を利用している方は、このようなお話も頭の片隅において下さい。

〜 anjuu アンジュー 〜

「鉛中毒と学習障害」

学校内で生徒が女教師を刺殺、またアメリカでは少年が校長を銃殺するという凶悪な事件が続けて起こっています。共通していえるのは、非常に突発的であり、また動機が短絡的であるということです。

教室が教育の場ではなくなっているから、このような事件が起こるのですが、最近は、授業中に教師の話を聞かないだけならまだしも、走り回ったり、大声で話をしたりする子供が増え、授業が成り立たないことさえあると聞きます。それも、小学校低学年から中学、高校でも起こっている現象であるそうです。

問題を起こす少年たちは、もともと知能指数が普通かいい方であっても集中力がないために勉強についていけず、また自分をコントロールする力を著しく欠いています。そうした極度に集中力を欠いた行動は、その子供のパーソナリティから起こるのではなく、学習障害、または多動症という病気の症状と考えられています。

多動症の子供は、6〜11歳の時期には攻撃性が強く、クラスのトラブルメーカー的な存在になります。思春期の頃には勉強に遅れるため自尊心が傷つけられ、自分の世界に隠る、親・教師・学校・社会に対する反感、そして、不登校、家庭内暴力、校内暴力、非行、いじめなどの問題にしばしば関連します。

多動、および学習不能の原因は、神経での生化学的なトラブルにあります。その脳と体に生じた異常の延長線の果てとして、多くの事件が起こっている可能性が高いのです。

「鉛と学習障害」

脳の生化学的なトラブルは、ビタミンやミネラル、アミノ酸、脂肪、ブドウ糖など栄養素の不足、あるいはバランスによって起こります。とりわけミネラルバランスの乱れの神経系への作用は、非常に直接的です。カルシウムイオンは神経細胞に刺激を伝えるメッセンジャーですが、細胞の中に増えすぎると、神経細胞が異常に興奮します。大人でもすごくいらいらして、暴力的になることさえあります。

多くの学習障害、および多動症児が常食するインスタント食品、スナック菓子、清涼飲料には、 砂糖、リン酸が含まれ、それが血液中のカルシウムイオン濃度を容易に変動させます。砂糖により、低血糖も起こります。また過酸化脂質やトランス型脂肪など「悪い脂肪」が脳の働きを妨げます。

有害ミネラルの鉛もまた、カルシウムが行なう神経伝達反応を妨げ、脳と中枢神経の働きを低下させていきます。「脳を育てる脳を守る(NHKブックス)」には、鉛の血中濃度が100ml 中60μg以上だと、知能指数が3〜4低下する。鉛の脳症になると、さらに低下し、行動異常が起こると書かれています。アメリカで行なわれた研究では、犯罪者・非行少年の血液や毛髪中の鉛濃度が高いことが報告されています。

鉛は、新聞紙のインク、タバコの煙、鉛でできた水道管を通した水、排気ガスに曝された野菜、メッキで縁どった食器などから摂取されます。摂取された鉛はカルシウムの代わりに骨に入り込み、 成長期にある子どもは大人の5倍以上もの鉛を吸収してしまいます。

多動、および学習不能症候群の診断基準(ファインゴールド博士)

・著しい多動、およびせかせかする
・貧乏ゆすり
・手をくねらせる
・衝撃的な行動
・家や学校で破壊的に振舞う
・衝動的に人やものに触る
・他の子どもの邪魔をする
・自分自身にとって危険な行動をとる 忍耐力が低い
・すぐに要求し、それに答えてやらなければ治まらない
・興奮しやすく、すぐ感情的になる
・集中できない
・飽きやすい
・人の話が聞けない 食事中もそわそわする
・本を読むことが苦手
・極端に不器用である
・筋肉調整が下手
・目と手が一緒に動かない
・文字をかくことが苦手
・運動場での行動が苦手
・睡眠リズムが悪い
・夜になかなか寝ない
・すぐ目覚める
・IQは普通か高いが、学校の成績は悪い
・9対1で、男子に多い

「まず、子供に毛髪分析を」

食生活では、砂糖をとらないようにすることが非常に大切です。砂糖はカルシウムを消耗するので骨からカルシウムが抜け、その代わりに鉛やカドミウムが入り込んでいきます。また低血糖にさせるということもあります。

ボタン電池を誤飲して−それが原因かどうかはわかりませんが、−鉛の値が非常に高く、言葉の遅れなどの発達障害になった子供の例もあります。鉛は目に見えないところにあり、じわじわと体を汚染していきます。

絶版になった栄養療法の名著「メガ・ニュートリション」には、著者のカニンが、わが子の毛髪から非常に多くの鉛が検出されたことを書いています。しかし、ビタミンCやミネラルを補給したため鉛中毒から抜け出し、クラスでも最も優秀な生徒になることが出来たのです。そして、カニンは「読者がもしお子さんをお持ちなら、五歳以下の子供に年にニ回毛髪分析を受けさせて、子供を鉛中毒から守って欲しい」とメッセージを送っています。

杏林予防医学研究所 予防医学ニュースより